5.2.2 設備の使用および保守(外殻構造の清掃、液体の流出など) 5.3.1 化学薬品や炭化水素の汚染の軽減
規格
5.1.1 5.1.2 5.1.3 5.2.1.
廃棄物削減(再使用、リサイクルなど)プログラムの証拠 バイオ廃棄物の適切な保管または処分の証拠
化学薬品や炭化水素の廃棄物の適切な保管または処分の証拠
生産に関するエネルギー消費のモニタリングおよび効率性向上のための継続的な取り組みの証拠
5.2.2 保守記録は常に更新され閲覧可能であること
5.3.1 養殖操業に起因する化学薬品や炭化水素の流出防止および対応計画
原則6: 良き隣人さらに誠実な沿岸市民であれ 関連課題:マルチユーザーの協力、養殖場の保守
二枚貝甲殻類の養殖は、食品生産の最も持続可能な形態の1つであることが認識されている一方で、甲殻類の水産養殖は、人が生活する付近で行われることも多く、養殖の活動により近隣住民に影響がおよぶ場合がある。沿岸リソースの使用方法に十分な合意がないことに起因する紛争は、甲殻類の養殖業の社会的持続可能性に大きな影響を与える可能性がある。定期的に積極的なコミュニケーションおよび協議を行うことで、地元コミュニティとの信頼関係を樹立して、紛争を防ぐか緩和できる。コミュニティの近くに甲殻類の養殖業が存在することを望まない関係者もいるが、オープンな対話および継続的な関係を育むことにより、甲殻類の養殖業者は、地元コミュニティの信頼および操業のための社会的承認の獲得に向けて努力できる。こうした先を見越したアプローチを一連の規格に組み込むことは困難であるが、二枚貝の水産養殖管理検討会は、甲殻類の養殖業者が、彼らのためだけではなく業界全体のためにも、彼らが操業する地元コミュニティと良好な関係を築くことは非常に重要であると感じている。
基準(養殖エリアに適応する場合) 6.1 景観上の影響 6.2 養殖場のマーキング 6.3 流された設備、用具など 6.4 苦情 6.5 コミュニティおよび現地の支援活動/コミュニケーション 6.6 文化的差異、ニーズ、権利の認識 指標
6.1.1 整然として一貫した養殖場
6.2.1 用具が適切にマーキングされ、船の航行を不当に妨げない 6.3.1 流された用具を回収する
6.4.1 公式に文書化された苦情に対応する(操業に関する苦情)
6.5.1 コミュニティおよび地元グループとの関与に費やした努力および時間の証拠 6.6.1 伝統的な漁獲エリアや作業場所およびリソースへの地元グループのアクセス 規格
6.1.1 法律により別途指定のない限り、可視浮遊部は均一の色でなくてはならない
Bivalve Aquaculture Dialogue Draft Standards for Final Public Comment – February 1st, 2010 15
6.1.2 6.2.1 6.3.1 6.3.2 6.3.3 6.3.4 6.4.1 6.5.1
6.6.1
原則7: 社会的および文化的に信頼される方法で養殖場を開発?運営する
二枚貝の水産養殖は、養殖業が養殖場の労働者や地元コミュニティに利益をもたらすことを保証する社会的に信頼される方法で実施されるべきである。甲殻類の養殖で働く個人の労働者の権利は重要であり、養殖場の労働条件は、労働者を公正に処遇することを保証するべきである。適切な養殖場の労働条件には、未成年労働、強制労働、および差別の禁止が含まれる。苦情手続きおよび内部告発者の保護は、公正?公平な労働条件の達成および維持にとって重要である。社会的に信頼される甲殻類の養殖は、労働者と管理者が必要なトレーニングを受講できるようにして、安全で衛生的な労働条件を通じて労働者の健康と福祉を保証するべきである。以下の社会的規格のガイダンスおよび定義は、添付資料で確認できる。 基準 7.1 未成年労働 7.2 強制労働(Forced labor)4 、奴隷労働5、強制的労働(compulsory labor) 7.3 差別6 7.4 安全衛生 7.5 公正かつ適正な賃金 7.6 結社の自由および団体交渉 7.7 公正な懲罰慣行 7.8 労働時間
法律により指定のない限り、養殖場の可視部の位置および向きを均一にする
すべての適用する航海規定および規制に準拠している証拠
用具の紛失および地元の状況に基づいた苦情に応えて該当海岸線の清掃を明文化
主な用具は、どこの養殖場のものか特定できるようにする(フロート、ケージ、バッグ、保護ネット、ラックなど)
用具回収の設備の準備(叉手網、引っ掛け鉤など)
流された養殖場の閉鎖のためのメカニズムを整備する(遺棄物回収のための保険、業界の協定など)
苦情対応手順、最低限苦情およびそれらを解決する努力の記録を含む
支援活動の証拠(会議記録、広報、コミュニティ?地元グループ?明文化された支援プログラムに関するメンバーとの協議など) 地元グループの権利を承認する証拠
指標
4
罰則を盾に脅された人物に強いるすべての仕事およびサービス。その人物は、自由意思で仕事およびサービスを申し出ているのではない。または、このような仕事およびサービスは、負債の返済として要求される。「罰則」は、権利や特権のはく奪、移動の規制(または身分証明文書を預かる)などの経済的な制裁や物理的な処罰を示す可能性がある。 5
ある人物が債務を債権者に支払うために労働することを雇用先または債権者から強制される場合。 6
あらゆる区別、除外、優先。これらは、機会または処遇の公平性を無効にするか損なう影響がある。すべての区別、除外、または優先が差別を構成するわけではない。例えば、功績や業績は昇給やボーナスの基礎となるが、それ自体は差別ではない。過尐評価された特定のグループの人物を支持する積極的差別は合法となる場合がある国もある。
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7.1.1 7.2.1 7.3.1 7.4.1 7.4.2 7.4.3 7.5.1 7.6.1 7.7.1 7.8.1 規格 7.1.1 7.2.1 7.3.1 7.4.1 7.4.2 7.4.3 7.5.1 7.6.1 7.7.1 7.8.1
未成年労働の範囲
強制労働、奴隷労働、または強制的労働の範囲 差別の範囲
安全衛生に関連する事故および違反の発生
安全衛生についてトレーニングを受ける労働者 仕事に関係する事故および負傷に対する会社の責任 公正かつ適正な賃金の支払い
事業者団体および団体交渉への労働者のアクセス 不正な懲罰慣行の存在 労働時間の違反
未成年労働の禁止
強制労働、奴隷労働、または強制的労働の禁止 差別の禁止
安全衛生に関する事故および違反はすべて記録して、必要な場合は是正措置を取る 全従業員が、業務に関する安全衛生のトレーニングを受講できるようにする
別途指定のない限り、仕事に関連した事故または負傷に関して、雇用者は従業員の医療費を負担する
すべての従業員は、最低でも最低賃金よりも10%多い賃金を受け取る 従業員は、結社の自由および団体交渉の権利を有する 養殖場では、公正な懲罰慣行が実施される
季節による変動は別として、個人には尐なくとも毎7日間に1日の休暇が与えられるべきである
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添付資料
原則 2:生息環境、生物学的多様性、および環境保護プロセスへの重大な悪影響を回避、是正、または軽減する
二枚貝養殖および海底の有機物濃縮
甲殻類の水産養殖が生態系を変える場合の主な原因の1つは、有機物の堆積の増加である。浮遊している有機物をフィルターにかけてより大きな凝縮有機物に変えることで、粒子(排泄物および擬糞)をより速く沈ませて、甲殻類は有機物の海底への流れを促進できる。底生生物の生息場所および群生への甲殻類の水産養殖による海底有機物濃縮の影響についての研究は、悪影響がないかもしくは最小限であるという一連の観察結果から、養殖場内での大幅な変化を報告する結果、さらに沿岸の生態系全体規模での変化を報告する研究もある。ないか最小限という報告は、Baudinet ら1990、 Grenzら 1990、Hatcherら 1994、Grantら 1995、Shaw 1998、Chamberlainら 2001、Crawfordら 2003、 Harsteinおよび Rowden 2004、Andersonら 2005、Malletら 2006、; Mironら2005、ならびにLasiak 2006らの研究結果である。養殖場内での重大な変化は、Dahlbeckおよび Gunnarsson 1981、 Mattsson およびLinden 1983、 Kasper ら1985、 Tenore ら 1985、 Jaramillo ら 1992、 Chililevおよび Ivanov 1997、 Mirto ら 2000、 Stenton-Dozey ら 1999および 2001、 Chamberlain ら 2001、 Christensen ら 2003、 Smithおよび Shackley 2004, Harstein およびRowden, 2004、 Otero ら 2006、 Giles ら 2006、 Metzger ら 2007、 ならびにCranford ら2009の研究結果、沿岸の生態系全体規模での変化は、Hargrave ら2008の研究結果である。底生への影響の範囲と程度は、常に場所毎に特有であり、廃棄有機物の流入を制御する要因(甲殻類生産の規模、期間および集約度、養殖規範、セストン濃度、ならびに食物利用率と効率性)と該当地域の環境の同科能力を制御する水界地理学上および物理的要因(水深、堆積速度、流速、および風速)に左右されやすい。
二枚貝の生物源堆積現象の速度は、個体のサイズおよび養殖されている種に部分的に左右される個々の摂食率に関連する。海底への有機物供給量を決定する主な要因は、養殖場内で養殖されている二枚貝のバイオマスの総量である。浮遊培養は、海底培養に対して地域内のバイオマスを著しく増加させる機会を提供する。従って、底生群生に対するリスクを高めることになる。海底への重大な悪影響を示す前述の研究は、概して浮遊培養の地域で実施された。海底の土壌内および海底の表面の培養に起因する底生有機物濃縮の影響に対するリスクが比較的低いことを考えると、これらの活動は、有機物濃縮の規格から除外される。海底表面の培養は、バイオマス増加をサポートすることができる二枚貝の所有構造を必要としない潮間帯および潮下帯の養殖規範に限定されると考えられる(ポールおよびケージなど)。
近隣の対照サイトと養殖場の下の堆積物内の全「遊離」硫化物のレベルを比較することで、有機物濃縮の度合いを評価できる。堆積物の有機物濃縮の分類は、マクロファウナの生物学的多様性に対する堆積物の硫化物の変化の既知の影響に基づいて特定されてきた(Hargraveら 2008b、および 引用文献)。関連する硫化物の閾値により、マネージャーは、底生生物の生息場所の悪化を示すものから「バックグラウンド」濃度の通常の範囲を区別できる。
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生物学的変数間の関係は、堆積物が有酸素から無酸素状態に移行するので、硫化物レベルの変化に一致する。硫化物濃度の増加に起因する底生ファウナの生物学的多様性への影響は、著しく、かつ低い硫化物レベルで発生する可能性がある。有酸素から無酸素状態への移行は、1500 μM Sで発生することが確認されている。この閾値は、マクロベントスの硫化物濃度の「適度」から「低下」への移行を意味し、底生マクロファウナ群生構造の変化は、2008b にHargraveらが報告している。ノモグラフにより、相関関係のあるさまざまな化学薬品および底生動物の生物学的多様性の変化に基づくさまざまな底生生物濃縮の分類スキーム(Pearsonおよび
Rosenbergが定義、1975)が示されており、分類群の平均数は、典型的な有酸素状態に比べて約50から60%減尐する(Hargraveら 2008b)。無酸素状態の堆積物では硫化物濃度は、6000 μM Sを超えていた。3000 μMでの堆積物の低酸素クラスの変化が、硫化物への耐性の尐ない分類群が消えても耐性の強い日和見種が大量に増加しない場合に確認されている。3000 μMを超える硫化物レベルは、底生群集構造に「深刻な低酸素ストレス」を与え(Diazおよび
Rosenbergが定義、 1995)、底生生物の生息場所に深刻なリスクを引き起こす「汚染された」状態の堆積物(PearsonおよびRosenbergが定義、 1975)であるとみなされる。
硫化物測定手順
硫化物測定手順は、請求すれば入手できる。
全「遊離」硫化物のサイトアセスメントのためのサンプリングデザイン
全「遊離」硫化物のサイトアセスメントのためのサンプリングデザインも請求すれば入手できる。
植物性プランクトンの減尐の説明と計算
水の入れ替わりが水の浄化より速い場合(CT>RT)は、収容力を超過しないことが予想される。CT
計算:
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